ひとりSNS

エターナル壁打ち

Feb 2nd
2024
映画

『藍宇』『覇王別姫』『ブエノスアイレス』を観た

 早稲田松竹で観た。

 あんまり観た映画館を話すと行動圏がバレるから言わないほうがいいんだけど、サクッと紹介のURLを貼るのにちょうどいいから面倒さに負けてしまった

『ブエノスアイレス』『さらば、わが愛/覇王別姫』// 特別モーニング&レイトショー『ランユー』 | 早稲田松竹 official web site | 高田馬場の名画座 (このリンクがスケジュール更新とかで上書きされないことを願っている)

 以下ドネタバレな感想です。


藍宇

 イケイケな若い社長(実業家?)×貧乏学生というシチュがめちゃくちゃ商業BLじゃんか!!!

 と思ってたらネット小説が原作とあったので私の勘もなかなか捨てたもんじゃないな(?)と思った。というかいわゆる商業になるようなBLものの源流がここにあるのかもしれないよね  藍宇の顔がかわいい

  • 天安門事件!?藍宇絶対死んじゃうじゃん!!!(天安門事件は学生が中心だったという知識だけあった) →なんか生き残ってた……
  • せっかく一緒に暮らせたのに家を出て留学!?絶対10年単位で離れ離れになっちゃうじゃん!! →なんかすぐばったり再会してる……
  • 闇金疑惑で攻めが逮捕!?絶対悲恋エンドじゃん!!! →ギリギリで切り抜けたしなんかヨリが戻った……
  • いろいろあったけどこれでハピエンか……よかったよかった…… →えッ!!そこで死んじゃうの!!!?

  ↑なんかだいたいこういう感情の流れだった

 何度も死にかけたピンチがあったのに最後は唐突に死なせるんだみたいな肩透かし?があった

 攻めが社会的体裁を気にして一度結婚してるのでそういう社会かと思いきや最後あたりは藍宇が完全に攻め一家の一員として溶け込んでる空気でそこがよかった

覇王別姫

 これ……見た方がいいですよ…………………

 『ラストエンペラー』を観たことがあって、扱ってる時代と金のかかり具合がよく似てるのですごい脳内で重ねて観てた。

 『ラストエンペラー』もすごくいい映画で、例えるなら『ラストエンペラー』をむちゃくちゃうまいカレーだとすると、『覇王別姫』はそこにプラスして男+男+女のヤバイ愛憎というトンカツが乗っかっているむちゃくちゃうまくてボリューム満点大満足なカツカレーっていう感じなんですよ(???)伝わりますか???

 関係ないけどラストエンペラーに坂本龍一起用した人ってやっぱり戦メリがめちゃくちゃ好きだったのかな…(藍宇に戦メリ引用されてたのでふいに思い出した)  話が逸れた

 うーん思い出すほどに欠点が見当たらない……時代が激動すぎてその流れを追うストーリーも激動なので3時間あるけど全然飽きなかった……

 好きな登場人物が一方的にひどい目にあってたりすると多少文句も言いたくなったりするけど、やはり時代が激動すぎて全員全方位でひどい目に遭ってるのでむしろ破滅を迎えたカタルシスがあった。広場?で衣装やアクセサリーが燃やされてる中で3人がそれぞれ抱えていた積年の怒りを吐露して全部が"“終わっていく"“のサイコ~によかった……。

 そもそも蝶衣が日本軍のところに行ったのは小樓が逮捕されてたのを助けるためだったと思うんだけど(記憶に確信がない)、そこは吐き出さなかったのが蝶衣の矜持で愛だったのだと思う。

 でもその時に菊仙が「小樓を助けてくれるなら私は遊郭に戻ります」って言ってたのにそれは実現しなかったのはおい!!!ってなった(たぶん小樓が蝶衣をビンタして菊仙と戻ったので叶わなかったということだと思うが……)

 蝶衣が表面上めちゃ凜として毅然としてるのに小樓が菊仙と絡むとドアをバンッ!!って閉めたりするとこの、あっこういう仕草線の細い生真面目受けがよくやるよね……ってなんかそこだけ個人的におもしろみを感じてしまった  菊仙が上着羽織らせてくれたのに対して「ありがとう姉さん」→上着はストンと床に落として立ち去る も好き  普通ああいうことやりたくてもできないからね社会的に  あまりにも自分の生き方を貫きすぎてるのもファンタジーであり蝶衣が美しいゆえん……

 めちゃめちゃ語りたいことがたくさんある 後日追加でまた語るかも

追記:Amazonで映画買った(2000円) 円盤買うつもりだったけどモノが増えなくて済むのでデジタルで あまりにもよすぎる映画なので2000円は安すぎ

ブエノスアイレス

 非公式動画で失礼

 アルゼンチンタンゴを踊るところ!!!!!(↑の動画で無限に見れる!!!!)2000兆点!!!!ってなったけど、なんやかんやで結局ウィン置いて帰ってきたの!?ってびっくりしたラスト。

 カスな彼氏ともだもだしてたところからきっぱり離れられたってことでフェイ的には前向きになれた良いエンドだったのか。でもそしたらウィンはあそこで行き倒れか?それもかわいそう…。(ウィンは絶対真面目に働けんしよくて誰かのヒモになるしかできなさそうという強い確信)  最後は、フェイはチャンのほうに気持ちが向いてるし…やっぱりかわいそう

 最初はウィンがひたすらカス!って印象から、いや違うこいつら共依存だ!からの、いや完全な異邦の地でパスポート隠すのはダメだろ束縛彼氏じゃねえか!っていうどっちもどっちさ加減に落ち着くところよかった

 香港はブエノスアイレスの地球の反対側、って話でさかさまになった香港の景色が映されるところで作品のテーマというかフェイの気持ちがわかる感じだった

 世界の裏側まで行っても狭い部屋でカス男とグダグダ変わらない生活をしてしまうし、香港はフェイにとってはさかさまに見えるようないびつで居心地の悪い街だったんだろうなみたいな。

 なんか全体的に、めちゃめちゃ絵がうまくて雰囲気と画面構図がバチバチに決まってて分厚くてすごく満足度が高いけどシーン同士のつながりはいまいちよくわかんないBL同人誌を読んでる気分だった (総合的には褒めてます)

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Sep 10th
2023
映画

『ククルス・ドアンの島』と『呪術廻戦0』観た

さっき『TAR』の感想書いたばっかりだけど集中力がまだ続いているので最近サブスクで観たアニメ映画の感想も書き散らす。

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

 安彦良和の漫画を読んだことがあって、めちゃめちゃ絵がうまいな~と思ってたので観てみた。ガンダムは全く知らない。

 子供たちが作業してるシーンとか妙に?画面が牧歌的だな~と思った。意図的なのかもしれない

 ドアンが灯台をわざと直さず、アムロが直したときに嫌そうな顔をしていて、でも敵はそれとは関係なく島に近づいていたので、いや灯台はトリガーにならないんかいって見てて突っ込み入れたくなった。だけどたぶん、ドアンが小細工しようとしなかろうと敵は襲ってきますという意味だったんだろうな~と思う。そう考えるとアムロの「あなたのまとう戦争のにおいが~」というセリフとつながるので。

 観る前はドアンが犠牲になって子供はそうとは知らず暮らし続けるみたいな終わり方だと思ってたので、ドアンが生きててほんとによかったと思う。

 マルコス好きだ~アムロとの体格差すきだ~ってなったけど、これ見た後に原作のTVアニメ版観たらマルコス影も形もなくてウケた。カーラもなんか名前違ったし(ドアンと名前の響きが似てるから変えたのかな)

呪術廻戦0

 売上がすごいと聞いたことがあったので観た。呪術廻戦は全く知らない

 たまにギャグっぽくなるノリとか、思ったより普通の映画化したアニメって感じだった(別に悪い意味ではなく)。そういう普通のアニメ映画がここ数年で画面のクオリティがぐっと上がって、邦画の中でばんばんヒットするようになったんだな~と思った。

 SNSだと、フォロワーの誰かが好きな映画だったら下手なこと言えないよなーって無駄な自意識がはたらくのでブログを開設して本当によかった。気軽に書き散らせる。 フィルマークスとかいうアプリもあるけど、一方的に星の数をつけるのは好きじゃないし。

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Sep 9th
2023
映画

『TAR』観た

このブログが気になっており、早稲田松竹で観た。

 名画座って見逃したけどちょっと話題だったなみたいな映画やってくれるから助かる

 配給会社の違いとかどうでもいいし、常に映画を追ってけるわけではないから作品の公開数が少なさ的にも名画座のアカウントだけウォッチしとけばなんとかなるところもグー

 冒頭のトークイベントと大学での指導シーンに尺割きまくってるところで「この映画やべえな…」って思った。

 観ながら、実はリディアには何の実力もなくて、客寄せの見せかけでのし上がったのかと思ってたけど、いちおう指揮者としてのスキルは優れてたっぽくてそこは安心(?)した

(でもまあ節々に正攻法でのし上がったわけでもなさそうな描写があったし、指揮者としては優秀だったからこその転落の悲劇なんだけども)

 私は岡崎京子の『ヘルタースケルター』が大好きなので、まさに同じ構図だ!!って転落していくリディアと裏腹になんだかうれしくなっていってしまった。

 ほんと、同じですよね。絶頂から少しずつ精神を病んでいき、破綻するところもそっくり。

 私は映画版の『ヘルタースケルター』の沢尻エリカもめちゃ好きだしキャストもみんなよかったのに、オーバードーズしたりりこが見る不思議な幻覚シーンがなんか全然ダメダメでほとんどスキップしたような感じだったのが(あ、この映画の監督全然ダメじゃん。理解できなかったから飛ばしたんだな)って思って、そこだけがっかりだったので、『TAR』が『ヘルタースケルター』の映画版っていうことにならないかな(?)

 とまあそのぐらい『TAR』は『ヘルタースケルター』に似てるので、ラストシーンも『ヘルタースケルター』と同じく希望でしかないんですよね。  日本の芸能界と大衆に完全に忘れられようとも誰も知らない場所で冒険を続けていたりりこのように、アジアで再出発したリディアさんもヨーロッパで足の引っ張りあいやってる連中をよそに不敵な笑みを浮かべられるようになってるはずだと私は信じています。

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Aug 12th
2023
音楽

レクイエム2つ

 8/6になんとなくレクイエムを2種類聴いた。

 いずれも大学で合唱サークルにいた時に歌ったもので、どちらもたいへん好きだ。

 今までインターネットで身元特定を気にしてあまり語れなかったのもあるので、新たにブログをはじめた今、好きなところを書いてみたい。(サークルでは友達がいなかったので語れなかった)


『Requiem』Mozart

おすすめリンク ここからKarl Böhmの演奏をダウンロードして聴きました

 レクイエムに対して失礼な感想かもしれないが、モツレク(合唱人はモーツァルトのレクイエムをこう呼ぶ)は歌っていてとても"楽しい"。  私はブラームスの『ドイツ・レクイエム』やヴェルディの『レクイエム』(これはDies iraeだけ歌ったんだと思う)も歌ったが、楽しいのはやはりモツレクだ。

 いちばん好きなのは『Domine Jesu』。これは気持ちいいテンポ感で、「Sed signifer sanctus michael~」というおいしいところをソロに持っていかれるところを差し引いても、フーガ調でメロディが各パートでくるくる回るのを楽しみながら歌うことができる。  『Kyrie』も同じくらい好きなんだけど、細かい音符が大変で息切れするので、歌い手視点では『Domine Jesu』に軍配が上がる。  『Lacrimosa』も高音が難しいので(私はソプラノ)、好きだけど、同様の理由で聴くとき微妙な表情になりがち。

 テレビや映画では『Dies irae』がとにかく有名なんだけども、『Domine Jesu』も同じぐらい流れてくれるといいのに。楽しいから。

ジュスマイヤーによる補完に対しては、別にいうほど悪くもないと個人的には思う。ただモーツァルトの作った部分とは決定的に"違う"というのはわかるので、批判する人はその部分が気になったんだと思う。  死者となったモーツァルトにはもはや一音もレクイエムに手を入れることはできなかったわけで、そういう意味ではレクイエムは『生者』のものなのだと、よく思う。

無伴奏混声合唱のために『廃墟から』より『第一章 絶え間なく流れてゆく』  作詞:原民喜 作曲:信長貴富

おすすめ演奏

 もちろん私がいた合唱団のものではありません。むちゃくちゃ上手です!

 8/6に聴く本命はむしろこっち!これも歌うのは大変なんだよね……特に中盤……どう大変なのかはぜひ聴いてほしい……。  題名にこそ"レクイエム"は無いものの、これはまごうことなきレクイエム。  歌詞には、原民喜の詩を何種類かミックスする中にチラチラと"Kyrie Eleison"が紛れているんです。

 前半と最後に現れる『一輪の花の幻』というフレーズがとても好きなのであらためて調べてみたけれど、原爆ドームの側の石碑に刻まれているらしい。  詩を読んだ第一印象から、これは原爆のキノコ雲を暗示しているんじゃないかなと感じている。そしてたぶん間違いではないと思う。

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Jan 1st
0001
映画

『シェルブールの雨傘』観た

AmazonPrimeで観た。

セリフが全編歌だと概要にも全然書いてなかったのでうれしいサプライズだった。

でもジュヌヴィエーヴはギイに説明と謝罪をしな! カサールがアタックしてるあたりは、つらいけど誰のせいでもないしね…切ないね…ぐらいに思ってたけど、お前は『あなたから離れたら生きていけない』ぐらいまで歌ってたろ! なのでラストシーンはどうにも没入できず…『I will wait for you』の曲の良さで乗り切りました。

雨傘=生活のしがらみの象徴、ということで、帰って来たギイが雨に濡れていたのが印象的だった。
ジュヌヴィエーヴのママが雨傘を売るお店は親子を縛っていたし。

何か月か前にKバレエの『蝶々夫人』を観たけど『シェルブールの雨傘』とちょうど逆の形かも。蝶々夫人の時もピンカートンにキレてたわ、確か。

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