2024/4/28昼公演をシアタークリエで観た。
個人的にうーんな点があったが旧Twitterだと絶賛する声が多く、なんか言いづらいのでここに感想を置いておく。
そもそも
パガニーニのヴァイオリンのうまさが人間離れすぎて『悪魔に魂を売り渡した』と呼ばれていたのにあやかって、本当に悪魔と契約して演奏の才能を手に入れたことにしました、って話なんだけど、それだと実際に悪魔と契約せずともヴァイオリンがうまかった史実パガニーニの才能とか努力に対して失礼すぎやしないか?と思ってたんだけど、そのことに対する言及は全然なかったね
もしかしたら映画の『アマデウス』でサリエリがめちゃくちゃ悪役にされたのと似たようなノリでやってんのかな~と思った。
説得力の弱さ
パガニーニ役の人は弾くふり、とかだと嘘っぽくなってしまうのはあるけどヴァイオリン持ったまま踊りだすし、パガニーニってギリギリ蓄音機発明前に亡くなったので実際どんなすごい演奏だったのか現代の我々は永久にわからないという前提のうえでヴァイオリニストの方が裏でめちゃくちゃ生演奏してくれてて、すごいのは確かにすごいんだけど、何に思いを馳せればいいんだ…?という感じで見てた。
『CROSS ROAD』単体を純粋に見たときにめっちゃ悪いという部分は無いんだけど、逆に言うとパガニーニという実在の人物をモチーフにする意味ってなんかあったのかな?という気持ち 史実モチーフ作品が持つ、背景を調べた時に解像度が上がる相乗効果がそもそも薄いし、アムドゥスキアスとかアーシャとかけっこうな割合でファンタジーが入ってきてるしという意味で
……まで書いて思ったけど、よく考えたら私はミュージカルそんなに観てないし(『チェーザレ』をめちゃめちゃ観ただけ)、単にミュージカル経験値が低いのかも。
テニミュもラケットで打つふりだけだし、弱ペダは確か歌わない舞台だった気がするけど自転車のハンドルだけ持って漕ぐふりするだけだし、そういうもんだと割り切る世界なのかも つまりそんな悪く言うほどでもないかも すみません
シナリオとか曲とか
曲ね!曲はめっちゃよかった!クライマックスで『casa nostalgia』ロックアレンジが流れた瞬間に勝ったなと思った ゲーム主題歌がラスボス戦でアレンジver.が流れるあの感覚だったもんね 曲はいいです 皆さん歌も上手いです 間違いない ただようやく終盤にさしかかったところでメインキャストがソロ曲歌い出して、せっかくできあがってた話の流れが途切れちゃうのはどうにかならないんだろうか 良い曲だけどパガニーニ早よ死ね~~って感じだった(ひどい)
シナリオも、エリザ(ナポレオンの妹)との愛人関係が後半に大きく関わるけども、なーんかいまいちサブの筋の一つとして終わっちゃった感じがしてがっかり……。
個人的にはエリザとの関係を主軸として、“自分自身がファムファタルだと気付いたエリザが涙を吞んで別離!けどパガニーニの魂は永遠に!fin!“みたいな感じでいいだろと思ったんだけど……。
たぶんだけど、今時のトレンド的に男女の恋愛を全面に押し出さず、代わりに母親とアーシャというnot恋愛対象の女性たちにも物語を背負わせてバランスを取りましたという感じなのかなと思った。
それによってパガニーニの人生を多面的に描くという方針自体はいいと思うんだけど、結局"ありふれた母親の愛!!でもそれが最強!!“という力業になってるし、アーシャに至っては普通にオリキャラで史実無関係なのでウーンかわいい女の子がほどよく華を添えてるねみたいな気持ちで観てた(斜にかまえすぎ)
十字路について
wikiでパガニーニの逸話を見てて演奏が悪魔めいてたのはいいけど"十字路"はどっから出てきたんだ、と思ってたところで偶然見つけたのがこれ。
クロスロードの絵ピクシブにあげたいけどタグわかんなくて百科事典も見てたらものすごくパ……元ネタらしき逸話を知ってしまった回 pic.twitter.com/GtvRVjFF5k
— てだ (@punsuco_sembei) May 30, 2024
これじゃん! ていうかこの映画の話をパガニーニに置き換えただけだろこのミュージカル!そこは誰も指摘しないの!?
と思ったらこうなってた
いや脚本の人のツイート見たらすごく堂々と話題にしてたわ
— てだ (@punsuco_sembei) May 30, 2024
「パガニーニが」「十字路で悪魔と契約した」という逸話もあったということなのかな?
今となってはミュージカルクロスロードそのものに検索結果が侵食されてるので何もわからない 全てが闇の中(悪魔だけに) pic.twitter.com/0BOw2wRSzJ
……!?
どう見てもロバート・ジョンソン主人公の映画が先でクロスロードが後なのに、あたかも「こういう方もいたんですよ」風に紹介してやがる…… これが文筆家のトリックか!?
「パガニーニも当時から"十字路で悪魔と契約した"と噂されていた」か「“演奏家が十字路で悪魔と契約し才能を手に入れる"という逸話が欧米?で普遍的に存在した」という論拠が見つからないとこの脚本家を疑い続けなければいけないんですが、残念ながらどちらもうまく探せず……
悪魔と契約するのはファウストかなとも思ったけど、wiki見たらファウストが悪魔と出会うのは十字路じゃないし、ファウストは演奏家や芸術家でもなかった
今でもかなり疑ってるので逸話の論拠を知ってる方はぜひ教えてください。
とりあえず書きたかったことはこれぐらいです 思ったよりボロカスに書いちゃったかも…まあいいか キャスト全員歌が上手いし衣装も綺麗だったので深く考えず歌と音楽を楽しめばいいかなという感じでした(褒めてますよ!!)